光デバイス技術情報
ウェーハ, デバイス, 波長変換モジュール
幅広い層のお客様のニーズに最適な形態でお応えいたします。
オキサイドでは、光デバイスに関して、LN、LTの結晶製造、ウェーハ化プロセス、QPMデバイス製造、およびQPMデバイスを組み込んだ波長変換モジュールまで、自社内で一貫生産体制を整えております。ウェーハ特性の知見をもとにQPMデバイスを作る、QPMデバイスの知見をもとに波長変換モジュールを作る、一貫したバックグラウンドを持つことにより、より効率よく、より高性能に、よりコストクリエイティブに、お客様のニーズにお応えすることが可能になりました。
MgSLN、MgSLT ウェーハ
高効率なQPMデバイスを作りたい 大口径・高品質な基板がほしい!!
高効率な波長変換材料を安く、効率よく手に入れる。そのためには、高効率な材料であるMgLNやMgSLTが最適です。
オキサイドでは長年培ってきた結晶製造、ウェーハ化プロセスを基に、大口径(3インチ)で高品質なMgLN、MgSLTのウェーハを供給しています。
材料特性の比較は、「材料物性比較表」をご参照ください。
QPMデバイス
いろんな色を高効率に出したい!
そんなときこそ、QPMデバイスの出番です
波長変換ならオキサイドにお任せください!!
QPMデバイスは、紫外光から赤外光まで任意の波長を、高効率に、高ビーム品質に変換することができる夢のようなデバイスです。 オキサイドでは、高変換効率のPPMgLN、PPMgLN導波路、耐高出力特性に優れるPPMgSLTを製造しております。
QPMとは
紫外光から赤外光,CWからフェムト秒まで任意の波長を高効率に、高ビーム品質に変換可能なデバイスです。(Walk offなし)
QPMとはquasi-phase-matchingの略で、擬似位相整合とも呼ばれています。LNやLTなどの強誘電体の分極を制御して、屈折率の異なる波長の光の相互作用を擬似的に合わせることができ、その分極制御の設計を行うことにより、任意の波長の波長変換を行うことができます。 QPMデバイスの特徴は、
- 周期分極構造を設計することにより、任意の波長変換を実現できること
- 材料のもつ最も変換効率の高い定数(d33)を利用できること
- Walk-offが無く、変換光は円形の高品質な光であること
があげられます。
QPMデバイスの種類
オキサイドでは、QPMデバイスとして、PPMgLN、PPMgLN導波路、PPMgSLTをご用意しております。なかでも、PPMgSLTは高い熱伝導率 とダメージ耐性から、Wクラス以上のハイパワー用途にお勧めです。また、これらデバイスをより簡単にお使いいただくために、温度制御性に優れたQPM結晶 マウントをご用意しております。
マルチグレーティング、チャーピング、ファンアウト、多周期ハイブリッド構造などカスタム対応も承ります。
下に添付のシートを基に詳細仕様をご提案させていただきます。
QPM Questionnaire sheet (excel)
QPMセレクションガイド
いろいろな波長変換材料がある中で、どの材料を選ぶかは簡単です。
- PPMgLN、PPMgLN導波路は、高い変換効率を有することが特長です。
低出力(mW)~中出力(~W)程度の波長変換光を得る場合に有効なデバイスです。
お持ちの光源の出力が小さくより効率よく波長変換したい場合は、PPMgLN、PPMgLN導波路を選択して下さい。 - PPMgSLTは、LNに次いで高い変換効率に加えて、高い熱伝導率を有し高出力に強いことが特長です。パルスレーザや数W~20W程度の波長変換光を得たい場合にはPPMgSLTを選択してください。
- いずれのQPMもQPM周期を設計することにより、任意の波長に対して、また任意の波長変換方式(SHG,SFG,DFG,OPO,OPG,OPA)に対して機能させることができます。
- SHG: Second harmonic generation 第二次高調波発生
- SFG: Sum frequency generation 和周波発生
- DFG: Difference frequency generation 差周波発生
- OPO: Optical parametric oscillation 光パラメトリック発生
- OPA: Optical parametric amplification 光パラメトリック増幅
弊社で取り扱っているQPMデバイスの概要は下記のとおりです。
QPMデバイス取扱いガイド
はじめてQPMデバイスをお使いになられる際は、取り扱い上の注意点をまとめた「QPM素子の取扱いガイド」をご参照ください。
参考文献
■これまで発表されている関連文献をカテゴリーごとにわけてまとめました。
材料 | 文献名 | ||
光学特性 | 屈折率 (セルマイヤー方程式) |
MgLN | D. E. Zelmon et al., J. Opt. Soc. Am. B Vol. 14, p. 3319 (1997). |
SLT | A. Bruner et al., Opt. Lett. Vol. 28, p. 194 (2003). | ||
MgSLT | M. Nakamura et al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 41 p. L465 (2002). | ||
素子設計に関する文献 | d定数に関する文献 | LN/LT | I. Shoji et al., J. Opt. Soc. Am. B Vol. 14 p.2268 (1997). |
チャーピング (広帯域化) | LN/LT | T. Suhara and H. Nishihara, IEEE J. Quant. Electro. Vol. 26, p. 1265 (1990). | |
アポダイゼーション | LN/LT | J. Huang et al., Opt. Lett. Vol. 31, p. 604 (2006). | |
材料物性・耐性に関する文献 | 熱伝導率 | MgSLT | K. Kitamura et al., Oyo buturi 74, p.573 (2005) |
MgSLT | N. E. Yu et al., ,Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 43, p. L1265 (2004). | ||
MgSLT | M. Nakamura et al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 51, 012601 (2012). | ||
パルスダメージスレショルド | LN/LT | N. E. Yu et al., ,Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 43, p. L1265 (2004). | |
GRIIRA 対光損傷耐性 |
LN/LT | K.Kitamura et al., Ferroelectrics Vol. 257, p. 235 (2001) | |
応用例 | CW光 発生 (紫外~可視) |
MgSLT | T. Mochizuki et al., Advanced Solid state Photonics (ASSP) 2008 MG5 (2008). |
MgSLT | M. Oka et al., SPIE Photonics West 2008, 6875-20. (2008) | ||
MgSLT | G. K. Samanta et al., OSA CLEO 2010 CWQ7 (2010). | ||
MgSLT | S. V. Tovsting et al., Opt. Express, Vol. 16, 11294 (2008) | ||
MgSLT | M. Jacquemet et al., FILAS 2011 FThE11, (2011). | ||
MgSLT | J. Hirohashi et al., Advance Solid state Photonics, 2012 AT4A.22 (2012). | ||
パルス光 発生 (紫外~可視) |
MgSLT | N. E. Yu et al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 43, p. L1265 (2004). | |
MgSLT | J. Hirohashi et al., OSA CLEO 2010 CMG4 (2010). | ||
中赤外光 発生 | MgSLN | M. Maruyama et al., Appl. Phys. Lett. Vol. 89, 011101 (2006 ). | |
MgSLT | N. E. Yu et al., Appl. Phts. Lett. Vol. 85, p. 5134, (2004) |
■その他MgSLN,MgSLTに関する材料物性値は、下記のページもご参照ください。